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    10月24日 第2161例会 |

    10月24日 第2161例会

    「世界で一番幸せな国」
     国連の調査で2010年から2012年にかけて世界156カ国に住む人々を対象にした 国民の幸福度ランキングが2013年に発表された。
    評価基準としては、富裕度、健康度、人生の選択における自由度、困ったときに頼れる人の有無、汚職に関するクリーン度や同じ国に住む人々の寛大さなどの要素が考慮されている。
    見事1位に輝いたのはデンマークで、2位ノルウェー、3位スイス、4位オランダ、5位スウェーデンと続く。我々が住む日本は43位、韓国55位、中国93位の結果である。
    幸福度ランキング上位を独占する北欧には、学ぶべき点が非常に多く日本の今後のモデルではないでしょうか。
    幸福度1位、デンマークの税制の基本は国民総背番号制で高度に管理されていて「脱税できないシステム」 が確立されている。15歳から所得の課税対象者となる。 一般市民の平均所得税は58.95%、消費税が25%、平均市民税は31.7%・・・。自動車を買うと自動車税が180%加算。日本で¥150万の車が¥450万にも高額となるため平均使用年数は14年と長めである。数字だけを見ると重税に苦しみ大変そうですが、幸福度を上位に導く手厚い福祉が目に見える政策がとられている。教育費は大学を含めた教育機関の学費は無料で、 しかも学生は全員政府から奨学金が給付されます。
    義務教育は10年で学校には進学校や有名校のランクが無い。日常生活で卒業した学校名を聞かれることはない。小学校1年で「職業及び労働の知識」を、4年生で「就職と起業」を、中学2年生で「外国での就学と就業について」の授業がある。医療費は手術代も含めて無料で出産費用も無料。働く女性が出産した場合は34週間の有給休暇が与えられる。
    成人とは18歳からで選挙権も被選挙権も18歳からとなる。保護者の扶養義務は17歳までで、18歳からは国が保護者の役割を担う考え方だ。デンマークは食肉&酪農王国で食料自給率は 100%を超える食料輸出国である。豚肉で  100g60円(税込み)牛肉で100g85円(税込み)程度で購入できる。国民年金の支給は 65歳からで62歳が平均的なリタイア年齢である。年金は高齢者が生活するうえで最低限必要なお金を税金でカバーする制度なので生活に不自由のない方には支払う必要がないというのが社会の一致した認識である。
    介護サービスは市のサービスで在宅介護が代表的。介護施設付きの豪華な集合住宅は存在せず、高齢者同士の間でも格差を出さないように配慮されている。国の宗教は「ルーテル教会」と憲法で規定され教会維持のための教会税を徴収する。教会での葬儀は棺代を含めて無料だが墓石の購入と墓地の借地料は自己負担となる。 人が感じる幸福度について、いくつかの共通点を指摘している。
    お金で幸福は買えないかもしれないが、あるに越したことはない。そのことは、幸福度ランキングから明らかで生活費の高い国が上位を占める。
    とはいえ、基本的には幸せなはずの西側の先進国が上位を獲得できない理由として、豊かさにまつわるストレスや、欲望がかなえられないことへの失望があるとコロンビア大学地球研究所が指摘する。また意外ではあるが気候の良さは幸福度のプラス要因にはならないようだ。 ランキングでトップ10入りを果たした国々は、いずれも長く厳しい冬を堪え忍んでいる国ばかりで冬季にはまったく太陽を見ることができない国もある。
    対照的に、幸福度の高い北欧の人々が新婚旅行や休暇で好んで訪れる観光地のモーリシャスは67位、陽光降り注ぐカリブ海の国、ジャマイカは75位にランキングされている。
    総合的に国民の幸福度が高い国の条件は、税金が高いかわりに社会福祉政策が充実していて医療体制も充実し、食料の供給も安価で安定している。また、戦争の当事国ではなく、平和と安全が保証されている。伝染病の流行に加えて、汚職も極めてまれな国々だ。
    わが国の消費税増税も使い方さえ誤らなければ幸福度の向上に貢献してくれるかもしれません。

     

     

     

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