12月13日 第2396例会
失敗は成功の基
岡山、水島コンビナートに土地獲得、プラント建設等すべて私が総責任者として任せられていた。4,5年かけて塩化リンプラント建設、1991(H.3)完成、生産スタート。スタートして1週間、プラントが大揺れ、反応釜、爆発寸前となりストップ。原因究明、対策、再スタートに1年を要した。
土地は三菱化成から購入、ユーティリティー、一部原料を三菱から供給されていたこともあり、当時の三菱社長の声掛けにより三菱水島工場挙げて異常反応物質の分析を応援頂いた。
三菱の技術屋も「リン」は素人でよくわからないが、異常反応物質の構造はこのような形ではないかと提示していただいた。
私は、すがる思いで数日その構造を眺めていたとき、ふっと20年前大手製薬メーカからのテーマでリン化合物(TCPP)を合成したとき、提示された方法は、産廃処理が大変で別法を考えて、現在はその方法で製品化している。その別法を完成するまでに、失敗を繰り返したがその失敗の方法を思い出し、本件に使用すると見事に解決した。
この解決がなかったら、弊社は確実に倒産し現在はなかった。
Aという目的に適さなくても、Bにはいかせる。
失敗はない、というのが私の結論です。因みにシリコンバレーの技術者の給料は失敗の数の多い人ほど高い、と聞いたことがある。納得。
掲載日:2019年6月20日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る