1月18日 第2554例会
会長の時間 水野会長
社会奉仕活動を計画する上で、対象者が何を求めておられるかを理解する必要があります。
マズローの要求5段階説をご存知でしょうか。
人間の要求を5つの段階に分類する階層的心理学です。
段階を飛び越えての奉仕は時には受ける側にとって受け入れられない事もあるので理解が必要です。
<1段階 生理的欲求>
最も初歩的な欲求で生きていくために不可欠な必要最低限の欲求で、食欲、睡眠欲、性欲のほか、呼吸をしたい、排せつをしたい、水を飲みたい等の欲求を表します。
腹ペコの状態では勉強がしたい欲求は生まれないでしょう。
<2段階 安全の欲求>
生理的欲求が満たされた段階で、身体的に安全で、かつ経済的にも安定した環境で暮らしたいという安全欲求が芽生えます。
ウクライナやガザ地区で暮らす人々が切に望む欲求でしょう。
秩序ある安心できる環境を求める我々にとっての当たり前が2段階目の欲求です。
<3段階 社会的欲求>
家族や組織など、何らかの社会集団に所属して安心感を得たいと言う欲求で、所属と愛の欲求とも呼ばれます。
話し相手がなく、自分を受け入れてくれる人も組織もない状態は人間にとって幸せとは言い難いでしょう。親密な他者の存在を求める欲求が3段階です。
<4段階 承認欲求>
所属している組織や団体で評価されたい、自分の能力を認められたい欲求を表します。
学校に通っていれば社会的欲求は満たされますが友人がいない人や、いじめにあうと承認欲求は満たされません。
昨今ではSNSで「いいね!」を集めて承認欲求を満たそうとする人も増えていますが、これは「低位の承認欲求」の一例です。
「高位の承認欲求」では他者依存的な評価軸から自立し、自分の中で立てた基準や目標を達成する能動的な欲求を意味するようです。
<5段階 自己実現の欲求>
1~4段階の欲求が満たされてたどり着くのが「自己実現の欲求」です。
自分にしか出来ない事を成し遂げたい、自分らしく生き続けたいという欲求を指します。
素晴らしい夢をもっていて、理想とする自己イメージに近づきたい欲求です。
歌手になりたかった夢を捨てきれず、定年してからおやじバンドを結成する行動や、大自然の中で暮らしたい欲求、晩年に作家を目指す行動も5段階へのチャレンジかも知れません。
自己実現を目指すサルは見た事ないので、人間のみが持つ高度な要求のようです。
奉仕活動を考える上で「物質的欲求」と「精神的欲求」、また環境等の「外的欲求」と精神的な「内的欲求」に、あるときは「欠乏欲求」と「成長欲求」に切り離して考える必要があります。
奉仕の対象者が求める内容は何なのかを熟考した上で、歓迎される奉仕活動をタイミング良く行うよう心掛けましょう。
奉仕も仕事もカスタマイズが重要です。
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掲載日:2024年2月7日 | 目次:会長の時間に戻る