【皇帝の色】 12月13日 第2120例会
皆さん、こんにちは!
先週、秦幹事の卓話「色、いろいろなお話」の中で、私に難しい宿題をいただきました。回答が年を越えてはまずいと思い、今日の会長の時間に充てることに致しました。
私は商社時代、北京に延べ8年ほど滞在し日本からのお客様を「故宮」など名所旧跡に何度となく案内させて頂きました。
いま北京にある「故宮」は正式には「故宮博物院」といい、明・清王朝の歴代皇帝の宮殿です。東西753m、南北961m、敷地は72万㎡で、高さ10mの城壁に囲まれ、その外に幅52mの堀がめぐらされた広大な史跡です。
「故宮」は別名「紫禁城」といいます。北の半天に3つの星座(三垣)があり、北極星を囲む星座の名前が「紫微垣」といいます。ここは絶対的天の中心で、動かざる支配を表すことから、皇帝の宮殿を、この「紫微垣」の「紫」の文字が充てられた訳です。そして「紫禁城」の「禁城」とは、一般庶民が立ち入ることが出来ない「禁地」であることから名づけられたということです。
天上で動かぬ中心が「紫微垣」即ち「紫」に対し、地上で動かぬ中心は「皇帝」と中国では天上(神)と地上(人)夫々の最高権威を示しています。
「故宮」には大小様々な建物がありますが、前朝と後寝に分かれていて、前朝には「太和殿」「保和殿」など皇帝が国事・政事を行うエリア、後寝には「乾清宮」「坤寧宮」など皇帝・后妃らの居住区となっています。殿と宮が合わさって「宮殿」となります。
皇帝というのは、秦の始皇帝が最初として、清朝のラストエンペラー愛新覚羅溥儀まで2000年に亘り中華文明の統一政権をとった最高権力者の称号です。中国の神話には、権力者として三皇五帝(諸説あり)がありますが、秦の王“政”が中原を統一したことから、「三皇」よりも「五帝」よりも自分が上であるとして「皇帝」と名乗り、「始皇帝」となった訳です。
皇帝の色がなぜ黄色なのかは、秦会員の卓話の通りですが、中華文明の発祥の地は「黄土」、中華民族の母なる川は「黄河」、肌色は「黄色」であり、「黄金」にも通じることから、それらの代表者である皇帝の色とみる説もあります。また「皇」の発音(huáng)が「黄」と全く同じでもあることからもそうなったとの見方もあります。
これで会長の時間とさせて頂きます。有難うございます。
掲載日:2013年3月19日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る