10月17日 第2160例会
本日の会長の時間は“忙しい”についてお話しします。
先週の例会・理事会終了後、ドラマ半沢直樹で金融庁エリート黒沢役の快演をきっかけに人気急上昇中の歌舞伎役者、片岡愛之助氏にお会いするご縁があった。
現在、大阪松竹座で上演中の『大阪純情伝』で 午前、午後を通しで連日座頭公演中です。
1993年、長男でありながら二代目片岡秀太郎の養子となったことを機に、六代目片岡愛之助を襲名された人物である。
ドラマ半沢直樹を見て、いままで全く縁のなかった方が歌舞伎を見に来てくれることを喜びと感じるとのお話しでした。
連日公演の日程中も稽古をかかさず、数多くの取材やテレビ出演もこなし、私がお会いした日も 早朝3時からテレビCMの収録があったと笑顔でお答えいただきました。平均睡眠時間は2~3時間、そんなスケジュールで体調は大丈夫ですかとお伺いすると、段取りを良くすれば今以上に頑張れると、勇気を授かるお言葉をいただいた。
昨日、3年連続でミシュランを獲得されている江坂のてんぷら屋『つちや』に行ってきました。店主に一日のスケジュールをお伺いすると22時過ぎに閉店し帰宅するのは24時頃、午前2時頃に中央市場の仕入れ元と本日入荷する食材の打ち合わせをしてから就寝。早朝仕入れに行き ランチメニューの仕込みを行う。14時、ランチ終了後、後片付けと夜の仕込みを開始する。店内にはミシュラン受賞の公示は一切無く、理由を聞くと「料理とは受賞の結果を発表するのではなく今日食べていただいた評価と私の動きを見てお客様に決めていただくもの」と名言をいただいた。
無駄な動きが一切ない店主の仕事ぶりは“忙しい”を超越した芸術を感じる。
人間が急がしいととらえる定義は何でしょう。
物理学でいう仕事とは物体に加えた力とそれによる位置の変化を意味し、NmやJ(ジュール) W(ワット)等の単位で表現する。1W(ワット)とは1kgの重量を1秒間に1m動かす仕事量を表す。ここで着目いただきたいのは、仕事量にはその仕事を完結するまでに費やす所要時間が大きく関与しているところだ。10Kgの荷物を10秒かけて10m運んだ人は1,000Wの仕事をした実績となるが同じ荷物を10m運ぶのに 20秒時間を要した人は10秒で仕事を完結した人の50%しか仕事をしていないことになる。
仕事率とは効率やパワーとも呼び、単位時間内にどれだけの仕事が行われているかを表す物質量で、仕事率Pは仕事をW、時間をtとしたときにP=W/tで表される。
出来る男は仕事が速い!なんてキャッチコピーもありましたが、いかに短時間で一つの仕事を正確に処理するか、与えられた時間内にどれだけ多くの仕事を終える事ができるのかがその人の“能力”と言えるのです。
また別の観点から、“忙しい”とは優先順位を取り違えたときに発生する状況を言います。
企業の経営者は経営者にしか出来ない必要な仕事があり、優先順位や役割分担、手順を誤ると時間を無駄に費やしてしまい、結果“忙しい”と錯覚してしまいます。“俺は忙しい”と言っている人ほど端から見ると“ただの段取りの悪い人”でしかないケースが多々あります。
日々会社で職業奉仕を行いながらロータリーの活動も献身的に行う。自らの効率を2倍に高めないと両立は出来ません。
職業奉仕月間を機に、自分の仕事の効率について今一度見つめ直すのも良い機会なのではないでしょうか。
掲載日:2013年10月29日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る