4月24日 第2184例会
賢いお金の使い方
先日、三谷幸喜作・演出の芝居『国民の映画』を見てまいりました。舞台は
1940年代のドイツ・ベルリン。主役であるヒトラー内閣のNo.2ヨゼフ・ゲッペルズ氏は宣伝省の初代大臣で、彼にはすべての芸術とメディアを監視検閲する権利が与えられていた。巨額の富を得、豪邸に住むヨゼフは著名人を集めしばしば晩餐会を行う。調度品、美術工芸品には金を使うが、食事には金をかけない主義の彼が主催するパーティーは不評で招待された要人達は、帰りにレストランを予約するありさまで常々迷惑に感じていた。
そんなヨゼフ氏には大きな夢があった。最高のスタッフとキャストを集め、全ドイツ国民が世界に誇れる自分が理想とする映画を作ろうと考えていた。
ある日ゲッベルズは映画関係者たちを呼びホーム・パーティーを開く。大臣の立場で映画の製作と出演の依頼をするが、情の無さと不味い食事が相まって協力者の賛同を得ることが出来ず、無理矢理撮影した映画はヒットしなかった。
以前、尊敬できる方から面白い話しを聞いた。滋賀県で会社を経営される方でロータリークラブの会長経験者でもある。『金儲けの上手な方はたくさんおられるが、金の使い方が上手な方はめったにおらん・・・』と。
本日の会長の時間は賢いお金の使い方についてお話しします。
お金の使い方は大きく分けて投資と消費に分類される。
消費というのは普段の生活で使っていくお金のこと。飲食費や娯楽費、服や靴を購入する『衣・食・住・遊』がこれにあたる。
投資というのは将来への発展や見返りを期待して使うお金のこと。具体的には、学生時代の学費や、ビジネスセミナーの受講等、何らかのスキルを身に付けるためにお金を使うことを言う。もちろん株や金融商品に投資することや、企業の発展を目的に設備を充実させたり新商品の研究開発費も投資に含まれる。
消費重視でお金を使う人と投資重視でお金を使う人、3年後、5年後に成功しているのはどちらの人だろうか。
一般論では投資重視でお金を使ってきた人のほうが成功する可能性は極めて高いと言われているが前紹介の『国民の映画』を見るとそうとも言い切れない。
アベノミクスの3本の矢、金融政策、財政政策、成長戦略を紐解けば、消費の促進を進める政策であるようにも思える。
ここからは私の持論となる。
人生を 起・承・転・結で表すならば
二十歳までは社会に出るための準備期間。
20代は“起”30代は“承”40代が“転”で50代が“結”。
そして定年を迎える60代からは、いままで蓄えた豊富な知識や経験、富を社会に還元していくタイムテーブルが素敵だと考えます。
ビジネスオーナーの立場としては現役である限り企業への投資は続けるべきでしょう。
個人としての賢いお金の使い方は、準備期間である10代や社会人として動き始める“起”の世代である人に投資をする。言い方を変えるとこの年代の人々にはあまり消費を推奨する行為は避けたほうが良いと考える。
ロータリアン年代は奉仕の精神で社会への投資を忘れてはいけません。
そして日本経済のためにもどんどん消費をしてください。
ご自分は消費重視派か投資重視派かを一度考えてみてください。
そして日本の未来のために若者への投資をしてください。
子や孫には小遣いをあげるのではなく教育費に投資してあげてください。
今の日本の経済のために消費を実践してください。
たくさん消費をして何物にも変えられない「人生の思い出づくり」をしましょう。
掲載日:2014年4月28日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る