6月5日 第2190例会
生演奏が生体と心に及ぼす影響
6月はロータリー親睦活動月間です。
レクリエーション活動や保健と医療問題に共通の関心を寄せるロータリアンや、類似した職業を持つロータリアン同士の国際親善と善意の重要性を認識し、親睦活動への参加の増加及びこのプログラムに対する理解を促進するため、RI理事会によってロータリー親睦活動月間として指定されました。RI理事会は、各親睦グループがプロジェクト、活動及び催しを通して6月の「ロータリー親睦活動月間」を祝う活動を強調するよう奨励しています。ちなみに現在、最も長く継続して活動を行っているのが1947年にボート好きのロータリアンのグループが、自分たちの船にロータリーの旗を掲げ、自らをロータリアンの国際ヨット親睦グループと名乗り始めました“ヨット親睦グループ”です。
本日の会長の時間は生演奏が人に与える影響についてお話しします。
月初はピアノの皆川先生にも会長の時間を聞いていただけるので1年間の感謝の意を込めてこのテーマを選択いたしました。
音楽による癒し談義の歴史は古く,ギリシャ神話や旧約聖書に病気治療に音楽を用いたことや,プラトン、アリストテレスが病気治療に音楽が役立つと勧めたという記録もある。
わが国における音楽療法の始まりは1967年で、当初は精神科や障害者の施設で用いられてきた歴史がある。
現在音楽療法の使用は、環境への順応,不安や痛みの軽減,動きを良くする,刺激を与える効果として有効に用いられている。
一方,音楽が生体や心理に与える影響に関する研究報告には、生理学,心理学,医学,精神心理学,看護学,音楽療法,作業療法,心療内科,ホリステック医学研究,エレクトロニクス,電気学工学,人間生活工学など多岐にわたる領域での研究取り組みがみられる。心拍数,血圧・呼吸,脳波,血行動態,皮膚表面温度の計測により、生体の恒常性や免疫力,リラックス効果,ストレス緩和などの科学的なデータも報告されている
人が自分の精神的苦痛を癒されたいと思うとき,①自然の中で癒されたいと思う場合②人に慰めてもらいたいと思う場合③仲間,社会によって癒されたいと思う場合の3通りがある。①自然への欲求はデジタル的な音楽で満足され,②人問による癒しはアナログ的な音楽で叶えられ,③仲間・社会による癒しは音楽界やライブに行くことで達成されると述べられている。
生演奏が体と心に良い影響を及ぼすことを立証するために実験が行われた。
生演奏を聴く前後の血圧・脈拍数,皮膚表面温度および心にどのような影響があるかを計測し調査を行った。
対象者は10歳から80歳までの男女99名、演奏はサックス・ピアノ,および歌唱で,曲目は、自然や季節感がイメージでき,郷愁を覚えるような,日本の四季,枯葉,海上のピアニスト,母さんの歌,アメージンググレース,ホワイトクリスマス,聖この夜などが選曲された。
結果は,演奏を聴いた後が演奏前より血圧低下が約70%の人に、脈拍数の減少は約90%の人に見られた。皮膚表面温度の変化は,前半と後半の演奏とも皮膚表面温度が約2℃上昇していた。
こころに及ぼす影響は,演奏前にこころの緊張状態にある者が約半数を占め、いら立ち,不眠,憂欝,苦痛,不安の順であった。演奏後に気持ちが変化したと答えた人が8割あり,その変化はリラックスできた,楽しかった,感動した・感銘を受けた,心が落ち着いた,気持ちがほぐれた,心豊かになった,肩こりが軽くなったなどであった。
これらの結果は、副交感神経系が優位になった現れと考えられている。副交感神経系の興奮は,生命力・自然治癒力の回復、維持につながる。
現代社会では何かと交感神経系の緊張を伴う生活を送っていることから、生演奏は生体にくつろぎを与え,交感神経の緊張を緩め,本来生体が持っている生命力・自然治癒力が働きかけやすい状態にする効果があると考える。
週に1度、例会の場で皆川先生のピアノの生演奏を聴ける我々ロータリアンは幸せです。
会社経営や社会活動で緊張した副交感神経が緩まり、生命力が活性化しているのです。
皆川先生、いつもありがとうございます。
掲載日:2014年6月6日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る