3月12日 第2226例会 〈藤本副会長〉
パスポートランキングのお話
旅券(パスポート)とは、政府ないしそれに相当する公的機関が交付し、国外に渡航する自国民に対し、国籍及びその他身分に関する事項に証明を与え、外国官憲に保護を依頼する公文書のことを言います。
一方、査証(VISA)とは、国が自国民以外に対して、その人物の所持する旅券が有効であり、かつその人物が入国しても差し支えないと示す証書のことです。
査証(VISA)の主目的は、入国しようとする外国人が入国するにふさわしいかを事前判断する身元審査です。犯罪歴があるなど身元審査で不適格と判断された者には査証(VISA)が発行されず、その場合原則として入国は許可されません。また査証(VISA)は、事前段階における入国許可申請証明のあくまで一部であり、査証(VISA)を持っていても入国を拒否されることがあります。つまり、多くの国では査証(VISA)は入国を保証するものではなく、入国許可(上陸許可)申請に必要な書類の一部となっています。大多数の国が同様の制度を運用していますが、同時に一定の条件内で査証(VISA)免除が行われていることが多いです。
ところでパスポートランキングとは査証(VISA)なし(ノービザ)で渡航できる国の数のランキングのことです。言い換えれば「パスポート自由度ランキング」ということができます。コンサルティング会社の「ヘンリー&パートナーズ」が2013年7月1日時点で世界中に219ある国・地域のうち、査証(VISA)なし(ノービザ)で多く行ける国の数を比較。発表された「パスポート自由度ランキング」では、173か国に査証(VISA)なし(ノービザ)で行けるフィンランド、スウェーデン、英国の3か国が最も高く評価されました。2位が172か国に行けるデンマーク、ドイツ、ルクセンブルグ、米国で、3位が171か国に行けるベルギー、イタリア、オランダでした。4番目に高く評価された日本のパスポートでは170か国に行くことができ、カナダ、フランス、アイルランド、ノルウェー、ポルトガル、スペインと並びました。欧州連合(EU)加盟国が上位を独占したといえます。東アジア諸国は、韓国(7位、166か国)、香港特別行政区(14位、152か国)、台湾(25位、130か国)、マカオ特別行政区(33位、118か国)、中国(82位、44か国)、北朝鮮(85位、41か国)の順番だった。世界最下位は93位のアフガニスタン(28か国)との結果でした。
一方、日本が査証(VISA)なし(ノービザ)で受け入れる国の数は2013年 7月1日現在で66カ国とのことです。この後、東南アジアのいくつかの国に対して査証(VISA)なし(ノービザ)で旅行者を受け入れることを決定しておりますので、現時点ではもっと増えているはずです。
掲載日:2015年3月19日 | 目次:会長の時間(過去)に戻る